20年前の誰も知らない護符の話と京都かなえやさん
私が初めて自分のために護符を手に入れたのは台湾での事でしたが
「護符」という言葉自体は、もっとずっと前から知っていました。
それはもう今から20年近くも前のことで、
まだ一般にインターネットがやっと普及し始めたころの話になります。
当時はウィンドウズも出る前で、OSはマッキントッシュ(アップル)、
ネット通信は「ニフティサーブ(ニフティ通信)」と呼ばれるもので
今のような高速通信ではなく「ピ、ポ、パ・・・(電話のダイヤル音)」と
電話回線を利用してモデム通信をしている時代でした。
そういうインターネット初期の時代に、不思議なサイトがありました。
それはAさんという人物が、困っている人にボランティアで護符を書く、というもので
そこはウェブサイトというより掲示板のような場所でした。
あるとき偶然そのAさんのサイトを見つけた私は、
最初は興味半分で掲示板に書き込まれるやりとりを見ていました。
そこには色々な悩みが書き込まれて、Aさんが相談に乗るのですが
「これは」という難題を抱えた人にのみ
Aさんが無償で手書きの護符を送ってあげていたのです。
すると1~2ヵ月後に「おかげさまで問題が解決しました」とか
「素敵な人と付き合えるようになりました」「病気がよくなってきました」など
護符を受け取った人たちから、Aさんに感謝の書き込みがあるのです。
私はそのやりとりがとても不思議で面白くて、毎日のようにそのサイトを見るようになり
当然の流れとして、自分もAさんの護符が欲しいなあと思うようになりました。
もちろん多少は「本当かな?」と疑う気持ちも混じっていましたが
そもそもAさんは無償で護符の作成を引き受けていますし、
受け取った人たちもウソを書く理由が見当たりません。
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無償で護符を書いていた理由
しかしなぜAさんという人は、そんなことをしていたのか?
サイトの自己紹介によると、Aさんは子供のころから不思議な能力があって
空に浮かぶ雲を思い通りに動かしたり、予知夢を見て親戚を事故から救ったりと、
自分でも理解不能な経験が多々あったとのことでした。
そしてある日、恐る恐る自分の不思議な体験をお母さんに打ち明けると、
実はAさんのお母さんという人が、そういった不思議な能力の持ち主で
「受け継いでしまったのなら、その力を人様のために役立てるように」と
お母さんから言われたのだそうです。
その後、大人になったAさんは地方公務員として勤めるかたわら
身近な人、自分と母親の能力を知る人たちの紹介に限って
護符を書くなどの人助けをしていたそうですが、
世の中にパソコン通信(インターネット)というものが出来たのを機に
自分の力を活かす場を広げようと考えて、サイトを立ち上げたということでした。
当時はまだまだネット黎明期の時代で、
ネットサーフィンをする人自体が少なかったと思いますが
それでもAさんのもとには、護符の作成依頼が殺到していたようでした。
Aさんは真剣に困っている人から順番に、というポリシーを掲げていらしたので
私もAさんの護符を欲しいと思いつつも、他の人のように重大な悩みがなく
ただ毎日やりとりを見ているしかありませんでした。
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「無償の護符」のその後
そんな日々が半年ほど続いたある日、いつものようにAさんのサイトを覗きに行くと
サイト閉鎖の案内が目に飛び込んできました。
何でもここ1年以上に渡って護符を書き続けてきたAさんは
心身の休養が必要な状態になったので、公務員の職も辞して、
海外でしばらく休養に入るとありました。
私は突然のことにビックリすると同時に、
Aさんに護符を書いてもらえる機会が消えてしまったことにもガッカリしました。
しかし考えてみれば、無償で1年以上も人のために護符を書き続けていたのですから
心身共に擦り切れて当然だったと思います。
そもそもAさんのお母さんは、
Aさんがパソコン通信を通して護符を書くことに賛成ではなかったそうですが
それはもしかしたら、こういう事態を予測していたからかもしれません。
逆に言うと、力のある人が書いた「護符」というのは
それほど凄い物だったということですし、
それだけに(依頼が殺到しすぎると困るので)“知る人ぞ知る”秘法として
ひっそり受け継がれてきたんだろうと思いました。
とにかくそれ以来、Aさんをネットの世界に見かけることはなく
私も台湾で再び護符を見るまで、この出来事をすっかり忘れていました。
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どこかAさんを思わせる、京都かなえやさん
それでこのサイトを立ち上げるのを機に、最近の護符事情を調べてみたら
今では護符の通信販売というのもあって
中でも「京都桃源院 かなえや」さんの護符が人気のようです。
ここの護符は椿さんという、陰陽道の修行を積んだ方が書いておられるそうで
かなえやさんの住所を見ると、晴明神社のある通りに面しており
何だか期待が持てそうな感じです。
私自身、前述の通り20年前から護符の威力を見聞きする機会があり
台湾で手に入れた護符がきっかけなのか、信じられないような展開で結婚も叶ったので
護符には何らかの力があると信じています。
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護符が「有料」であることについて
ただ一つかなえやさんの護符で気になるのは有料、それも結構高額だという点ですが
これもAさんの時のことを考えてみれば、
真剣な人だけをふるいにかける意味があるような気がしました。
というのも、世の中にはこういったものを求める人は意外に多く
もしAさんのように無償、もしくは手軽な価格で頒布しようとすれば
依頼が殺到して、Aさんのように作成する人が擦り切れてしまう可能性もあるわけで
そういう意味ではかなえやさんの価格設定も妥当なのかもしれません。
またかなえやさんは
「護符は何ら宗教に関係するものではなく、願望実現のサポート役である」
と言っていますが、
これも実は当時のAさんが護符についてよく言われていたことと、ほぼ一致します。
つまり護符というのは「何でも願いが叶う魔法」などではなく
あくまでも補助役だということなんですね。
もし護符の作用によって、想定外の千載一遇の機会を得たとしても
そのときに自分がボーっとしていては、現状の変化はのぞめませんよね。
私の経験から実感するのは、そういうときに一歩を踏み出すのはやっぱり自分しかなく
全てを護符にお任せというのは無理な話だということです。
Aさんやかなえやさんの言っている「願望実現のサポート役」というのは
そういうことだろうと思います。
これは考えてみれば「○○さえあれば全てうまくいく」と言われるより
よっぽど信用がおける話だと思います。
他にもかなえやさんには、Aさんを思い出させるような記述が多く載っていて
有料ということ以外は護符に対するスタンスもよく似ているので
個人的に悪徳業者とか、詐欺業者という印象は受けませんでした。
ですからもし今、真剣な悩みを抱えていて、何かに力になって欲しいと思う方がいたら
かなえやさんの護符を試してみても良いかもしれませんね。
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